相続税

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相続税

「相続税」とは、亡くなった親や配偶者などの被相続人から相続した財産に対してかかる税金です。非課税となる財産や葬式費用などを差し引いたあとの相続税の課税価格が基礎控除額を超える場合のみ、相続税の申告が必要です。

対象となる人

亡くなった親や配偶者などの被相続人から財産を相続した人

内容

目次

1. 相続税とは

2. 相続税の申告が必要なケース

3. 相続税の課税/非課税となる財産

4. 相続税の計算

5. 相続税の税額控除

6. 相続税の申告期限

1. 相続税とは

亡くなった親や配偶者などの被相続人から相続した現金や土地などの財産に対してかかる税金です。課税対象となる財産から非課税となる財産や借入金、葬式費用などを差し引いたあとの相続税の課税価格が基礎控除額を超える場合のみ、相続税の申告が必要です。

2. 相続税の申告が必要なケース

相続税は、財産を相続した場合に必ずかかるわけではありません。下記の通り、相続税の課税価格が基礎控除額を超える場合のみ相続税の申告が必要です。

「相続税の課税価格」>「基礎控除額」

相続税の課税価格とは 相続などで取得した課税対象となる財産の合計額(生前の一定期間内でうけた贈与財産含む)から非課税となる財産や債務・葬式費用を差し引いた後の価格を指します。

基礎控除額の出し方 「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」 基礎控除額は法定相続人の数によって変動します。法定相続人が1人の場合、3,600万円までは相続税は発生しません。

法定相続人について 相続法定相続人になれるのは配偶者と血族です。相続人については、遺産相続に関するページの「相続人の範囲とは」をご確認ください。法定相続人の数は、配偶者と優先順位の高い血族の数でカウントされ、同じ順位の人が複数いる場合は、全員が相続人になります。 なお、相続人のうち相続を放棄した人がいる場合でも、基礎控除額の計算では、相続放棄した相続人の数も含めた数で計算します。

3. 相続税の課税/非課税となる財産

課税対象となる財産

相続財産

原則、亡くなった親や配偶者などの被相続人が亡くなった時点に所有していた財産の全てが相続税の課税対象となります。(現金・預貯金、株式などの有価証券、土地・建物など金銭に見積もることができる経済的価値のある全て)

みなし相続財産

「生命保険金」や「死亡退職金」などは相続によって取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。生命保険金や死亡退職金のうち一定額(500万円 × 法定相続人の数)までは非課税です。

相続時精算課税の適用を受けた贈与財産

亡くなった親や配偶者などの被相続人から生前に贈与をうけた財産に「相続時精算課税」を適用していた場合は、その財産も相続税の対象となります。

相続時精算課税制度とは 生前に贈与をうけた財産について、贈与者が亡くなった時に相続財産に合計して相続税額を計算する制度です。生前に贈与をうけた財産に対する課税方法は、「相続時精算課税」と「暦年課税」があります。詳しくは、国税庁「相続時精算課税の選択」または国税庁「財産をもらったとき」をご確認ください。

生前の一定期間内に贈与を受けた財産

暦年課税を適用して取得した財産のうち、加算対象期間(生前に贈与を受けた財産が相続財産に加算される期間)に贈与を受けた財産は相続税の対象となります。2023年の税制改正によって加算対象期間が3年から7年に延長されました。2024年1月1日以降に行われた贈与については加算対象期間が7年になります。ただし、延長された4年間(亡くなった時から3年超~7年以内)に贈与をうけた財産は、総額100万までは相続財産には加算されません。詳しくは、国税庁「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」をご確認ください。

課税対象から差し引かれる財産

お墓や生命保険金・死亡退職金のうちの一定額(500万円 × 法定相続人の人数)は非課税財産です。その他、借入金や未払金などの債務や葬式費用は、課税対象から差し引かれます。

4. 相続税の計算

相続税の納税額は「課税遺産総額」をもとに計算します。

「課税遺産総額」= 相続税の課税価格 ‐ 基礎控除額

最初に「課税遺産総額」を法定相続分どおりに取得したと仮定して「相続税の総額」を計算し、その総額を実際に取得した遺産額の割合に応じてあん分して納税額を算出します。

下記の例をもとに、相続税の計算の流れを説明します。

例:相続人が妻と子供2人の場合 相続税の課税価格:1億 基礎控除額:4,800万(3,000万+600万 × 3) 課税遺産総額:5,200万

1. 法定相続人ごとの取得金額を算出 「課税遺産総額」を法定相続分(民法で定める相続の割合)であん分する

配偶者:5,200万円 × 1/2=2,600万 子供1:5,200万円 × 1/4=1,300万 子供2:5,200万円 × 1/4=1,300万

【法定相続分】

法定相続人配偶者の割合法定相続人の割合
配偶者と子供・孫など1/2子供・孫など:1/2
配偶者と父母・祖父母など2/3父母・祖父母など:1/3
配偶者と兄弟など3/4兄弟など:1/4

※同じ順位の人が複数いる場合は法定相続人の割合を人数分で分割する

2. 法定相続人ごとの相続税額を算出 1で算出した取得金額に相続税の税率をかけ、控除額を差し引く

配偶者:2,600万円 × 15% ‐ 50万=340万 子供1:1,300万円 × 15% ‐ 50万=145万 子供2:1,300万円 × 15% ‐ 50万=145万

【相続税の税率】

法定相続分に基づく取得金額税率控除額
1,000万円以下10%-
1,000万円超から3,000万円以下15%50万円
3,000万円超から5,000万円以下20%200万円
5,000万円超から1億円以下30%700万円
1億円超から2億円以下40%1,700万円
2億円超から3億円以下45%2,700万円
3億円超から6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

3. 相続税の総額を算出 2の法定相続人ごとの相続税額を合計する

340万(配偶者)+145万(子供1)+ 145万(子供2)=630万

4. 納付する相続税額を算出 3の相続税の総額を、実際に取得した正味の遺産額の割合に応じてあん分する

※実際に取得した割合が、配偶者80%、子供各10%の場合は以下のように計算します。 配偶者:630万 × 80%=504万 子供1:630万 × 10%=63万 子供2:630万 × 10%=63万

5. 必要な場合、各種税額控除を適用 相続税における配偶者控除などの各種税額控除を差し引いて、各相続人の相続税の納税額を算出する

※計算例の配偶者の相続税額504万円には配偶者控除が適用されるため、配偶者の納税額は0円となります。詳しくは「5. 相続税の税額控除」をご確認ください。

相続税の計算について詳しくは、国税庁「財産を相続したとき」をご確認ください。また、国税庁「相続税の申告要否判定コーナー」では、相続税の申告のおおよその要否の判定や税額計算シミュレーションを行うことができます。

5. 相続税の税額控除

相続税には、配偶者の老後の生活保障や相続人の居住または事業の継続などの政策目的のための特例が設けられています。

配偶者控除

配偶者の相続税の課税価格が1億6,000万円まで、もしくは、配偶者の法定相続分に基づく相続金額までは、配偶者に相続税はかかりません。控除を申請する場合、税額軽減の明細を記載した相続税の申告書を提出する必要があります。詳しくは、国税庁「配偶者の税額の軽減」をご確認ください。

その他の控除

未成年者控除や障害者控除、小規模宅地等の特例などがあります。詳しくは、下記をご確認ください。

6. 相続税の申告期限

相続税は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10カ月以内に申告・納税する必要があります。

例:1月6日に死亡した場合の申告期限はその年の11月6日

相続税の申告書は、被相続人の住所地の所轄税務署に提出します。詳しくは、国税庁「相続税の申告と納税」をご確認ください。

参照先

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