遺族年金等に関する手続き
遺族年金とは
遺族年金は、国民年金や厚生年金保険に加入中もしくは加入していた被保険者が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていたご遺族の方が受け取ることができる年金です。
遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった方の年金の加入状況などによって、いずれかまたは両方を受け取ることができます。
亡くなった日の翌日から5年以内
遺族基礎年金の受給申請
遺族基礎年金は、家計を支えている人が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が受けることができる年金です。受給要件や受給対象者を満たしているか確認して手続きを行います。
受給要件
下記のいずれかを満たしている人が亡くなったときに遺族基礎年金を受けとることができます。
- 国民年金の被保険者が亡くなったとき
- 国民年金の被保険者で60歳以上65歳未満で日本国内に住所を有していた人が亡くなったとき
- 老齢基礎年金の受給権者が亡くなったとき
- 老齢基礎年金の受給資格を満たした人が亡くなったとき
※1、2は、死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上である必要があります。保険料納付済期間等は日本年金機構から届く年金定期便で確認できます。
受給対象者
亡くなった人に生計を維持されていた下記のご遺族の方が対象です。
- 子がいる配偶者
- 亡くなった人の子 (18歳に到達する年度末まで、または、20歳未満で障害等級1級または2級の子)
受給期間
子が18歳(障害をもつ子の場合は20歳)に到達するまで受け取ることができます。
遺族基礎年金を受けられない方でも、受給要件を満たしていると死亡一時金や寡婦年金を受けられます。死亡一時金については、年金に関する手続きガイドをご確認ください。
やること
「年金請求書」の提出
必要書類
- 年金請求書
- 基礎年金番号を確認できる書類(年金手帳等)
- 戸籍謄本
- 死亡者の住民票の除票
- 死亡の事実を確認できる書類(死亡診断書のコピー等)
- 受取先金融機関の通帳 等
請求期限
亡くなった日の翌日から5年以内
※年金を受ける権利が5年を経過すると時効によって消滅します。
申請先
市・区役所または町村役場(国民年金の窓口)
詳しくは、日本年金機構「遺族基礎年金を受けられるとき」をご確認ください。
子がいる配偶者が受け取る年金額
基本額 816,000円/年(※1)+子の加算額(※2)
※1 1956年4月1日以前に生まれた方は基本額 813,700円/年
※2 第1子・第2子:各234,800円、第3子以降:各78,300円
【例】子が3人いる場合
基本額 816,000円+子の加算額(234,800円+234,800円+78,300円)= 1,363,900円
子が受け取る年金額
下記の金額を子の数で割った額が、1人あたりの支給額となります。
年額816,000円+第2子以降の加算額(※3)
※3 第2子:234,800円、第3子以降:各78,300円
【例】子が3人の場合
基本額 816,000円+子の加算額(234,800円+78,300円)= 1,129,100円
年金額は、賃金や物価などの変動に応じて毎年度見直しが行われます。詳しくは、日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」をご確認ください。
亡くなった日の翌日から5年以内
遺族厚生年金の受給申請
遺族厚生年金は、会社員や公務員の厚生年金保険に加入している被保険者(第2号被保険者)や老齢厚生年金の受給資格を満たした人等が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていたご遺族の方が受け取ることができる年金です。受給要件や受給対象者を満たしているか確認して手続きを行います。
受給要件
下記のいずれかを満たしている人が亡くなったときに遺族厚生年金を受けとることができます。
- 厚生年金保険の被保険者である間に亡くなったとき
- 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に亡くなったとき
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている人が亡くなったとき
- 老齢厚生年金の受給権者であった人が亡くなったとき
- 老齢厚生年金の受給資格を満たした人が亡くなったとき
受給対象者
亡くなった人に生計を維持されていた下記のご遺族の方が対象で優先順位の高い方が受けとることができます。
- 子のある配偶者
- 子 (18歳に到達する年度末まで、または、20歳未満で障害等級1級または2級の子)
- 子のない配偶者
- 父母(55歳以上の方)
- 孫 (18歳に到達する年度末まで、または、20歳未満で障害等級1級または2級の子)
- 祖父母 (55歳以上の方)
ご遺族の優先順位について詳しくは、日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」をご確認ください。
受給期間
受給対象者の条件によって一生涯受給できる場合と支給期間が定められている場合があります。
支給期間が定められている場合
- 子のいない30歳未満の妻:5年間
- 子、孫:18歳(障害等級1・2級の場合は20歳)の年度末まで
- 夫、父母、祖父母の夫:55歳以上が対象で、60歳から支給開始
見直し案(20代~50代の子のない配偶者)
現行制度における男女差を見直し、20代から50代の子どもがいない配偶者(夫、妻)の受給期間を5年間の期限付きにする方針です。
現行制度は下記の通りです。
- 夫:55歳未満の場合、給付対象外
- 妻:30歳未満の場合は5年間の有期給付、30歳以上の場合は一生涯給付
なお、30歳以上の妻については、段階的に有期給付に移行する予定です。また、年収要件の撤廃なども検討されています。
詳細は、厚生労働省「遺族年金制度等の見直しについて」(PDF)をご確認ください。
やること
「年金請求書」の提出
必要書類
- 年金請求書
- 基礎年金番号を確認できる書類(年金手帳等)
- 戸籍謄本
- 死亡者の住民票の除票
- 死亡診断書のコピー等死亡の事実を確認できる書類
- 受取先金融機関の通帳 等
請求期限
亡くなった日の翌日から5年以内
※年金を受ける権利が5年を経過すると時効によって消滅します。
申請先
お近くの年金事務所または年金相談センター
受給要件や必要書類など詳しくは、日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」をご確認ください。
遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の報酬比例部分の4分の3の額となります。報酬比例部分は、年金額の計算の基礎となるもので年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まります。
正確な金額を知りたい場合は、お近くの年金事務所または年金相談センター、日本年金機構「年金の相談・窓口」などでご確認ください。
亡くなった日の翌日から5年以内
寡婦年金の受給申請
寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者(自営業者、学生、無職の人など)として一定期間の保険料納付済期間がある夫が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受けとらずに亡くなったとき、その妻の方が60歳から65歳になるまで受けとることができる年金です。
※寡婦年金と死亡一時金の両方は受けとれないため、どちらかを選択します。
受給要件
- 国民年金の第1号被保険者(自営業者、学生、無職の人など)としての納付済期間(免除期間を含む)が10年以上ある
- 亡くなった人と10年以上継続して婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にある
- 死亡した夫によって生計を維持されていたこと
- 亡くなった人が老齢基礎年金・障害基礎年金の支給を受けていないこと
受給対象者
亡くなった人の妻
受給期間
支給をうける妻が60歳から65歳になるまで
※夫の死亡当時、妻が60歳に達していないときは、60歳に達した月の翌月から支給
※夫が死亡した月の翌月から支給
やること
「年金請求書」の提出
必要書類
- 年金請求書
- 年金手帳等の基礎年金番号を確認できる書類
- 戸籍謄本
- 所得証明書等の請求者の収入が確認できる書類
- 受取先金融機関の通帳 等
請求期限
亡くなった日の翌日から5年以内
※年金を受ける権利が5年を経過すると時効によって消滅します。
申請先
市・区役所または町村役場(年金関連の窓口)
詳しくは、日本年金機構「寡婦年金を受けるとき」やお住いの自治体のサイトをご確認ください。
寡婦年金の年金額は、亡くなった人の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3の額となります。詳しくは、日本年金機構「寡婦年金」をご確認ください。
遺族年金と自分の年金
公的年金には、老齢給付、遺族給付、障害給付があります。
老齢給付:老齢基礎年金、老齢厚生年金
遺族給付:遺族基礎年金、遺族厚生年金
障害給付:障害基礎年金、障害厚生年金
原則、1人1年金のため、支給理由(老齢、遺族、障害)の異なる年金を2つ受け取ることはできません。ただし、年金を受け取る方が65歳になると、特例的に支給事由が異なる2つ以上の年金を受け取る「併給」を選択できます。
併給を選択できる前提条件
- 遺族厚生年金を受け取れること
- 年金を受け取る方が65歳以上
対象者
老齢基礎年金を受け取れる方(自営業の方など)
受け取れる年金
「老齢基礎年金と遺族厚生年金」と「遺族基礎年金と遺族厚生年金」のいずれかの選択が可能
対象者
老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取れる方(会社員の方など)
受け取れる年金
自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ります。
遺族厚生年金は、老齢厚生年金より年金額が高い場合に、その差額を受けることができます。遺族厚生年金より老齢厚生年金の年金額が高い場合は、遺族厚生年金は全額支給停止になります。
詳しくは、日本年金機構「年金の併給または選択」または日本年金機構「2つ以上の年金を受け取れる方へ(PDF)」をご確認ください。