家族が亡くなった当日は、葬儀に関連する準備が中心になります。

• 「死亡診断書」等の受け取り

  主治医等から「死亡診断書」（事故死、孤独死などの場合は「死体検案書」）を受け取ります。この後の手続きで必要となることがあるため、コピーをとっておくことをおすすめします。

• 関係が近い親族等への連絡

  関係が近い親族や故人と縁が深かった人に、亡くなったことを伝えます。葬儀の日程等が決まっていないときは、亡くなったことを先に伝え、葬儀の日程等はあらためて連絡します。

• 葬儀社の選定と打合せ

  亡くなった人の葬儀に関する希望があったか、遺言書やエンディングノートを確認します。そのうえでご遺族の要望や近所の風習をふまえて葬儀社を決め、葬儀の内容や日程を葬儀社と話しあいます。

• ご遺体の搬送

  病院等で亡くなった場合は、ご遺体の搬送を行う必要があります。ご遺体の安置場所（自宅または葬儀社・斎場などの安置場）を決めて、葬儀社に搬送依頼を行います。入院費の精算や退院手続きが発生しますので費用等を準備しておくとよいでしょう。

死亡後～7日以内に、死亡届の提出・火葬許可証の取得・通夜・葬儀等を行います。死亡届の提出と火葬許可証の取得は、死亡診断書を葬儀社に渡すと代行してくれる場合があります。

• 「死亡届」の提出

  死亡届は、死亡診断書と同じ一枚の用紙になっていることが一般的です。
  右側：死亡診断書　医師が記入する部分
  左側：死亡届　　　届出人（親族等）が記入する部分
  死亡届の提出を行うと、役所が死亡した事実を把握し、故人の戸籍に死亡が記載されます。
  
  提出期日：死亡の事実を知った日から7日以内

  「死亡届」の手続きを詳しく見る

• 火葬許可申請書の提出

  死亡届と同時に、火葬許可申請書を提出し「火葬許可証」を取得します。この許可証は火葬を行うときに必要な書類です。申請書は自治体のサイトからダウンロードできます。必要項目を記入して市区町村の役所に提出しますが、死亡届と一緒に火葬許可申請書の提出を受け付けている市区町村が多いです。詳しくは、死亡届の提出先の自治体のサイトをご確認ください。
  
  提出期日：亡くなった日を含めて7日以内

• 通夜、葬儀（葬式・告別式）

  仏式や神事などご遺族の希望や地域の風習がある場合、そのやり方にしたがって葬儀社を介して通夜および葬儀等を行います。火葬場の空き状況を確認して、通夜・葬儀等の日程を決めることが多いです。だいたいは葬儀社が主導で準備してくれますが、ご遺族がやること・決めることなどを前もって葬儀社に確認します。
  葬儀代を支払った際の領収書は、後日、葬祭費の支給申請手続きで必要になりますので、保管しておきましょう。

• 火葬

  葬儀の後に火葬を行う「後火葬」が一般的です。喪主は必ず「火葬許可証」を持参します。火葬が終わると、遺骨が入った骨壺と一緒に「火葬執行済の印が押された火葬許可証」をうけとります。この「押印済の火葬許可証」は、墓地や霊園での納骨の際に必要になります。
  
  この他、仏式では、亡くなった日を含めて7日目や49日目の「初七日法要」や「四十九日法要」などがあります。ご遺族の希望や地域の風習に従って、亡くなられた人を供養するための儀式を執り行います。

年金の受給停止や国民健康保険・後期高齢者医療保険等の公的医療保険の資格喪失届や保険者証の返却など、役所や年金事務所へ申請する手続きを行います。（一部、申請期限が2年または5年の手続きがあります）

• 年金に関する手続き

  亡くなった人が加入していた年金の種類や年金を受給していたか未受給か等によって、必要な手続きが異なります。年金の受給停止は、手続きが遅れると本来もらえないはずの年金が受給されてしまうため、期限までに手続きを行いましょう。

  年金に関する手続き

• 公的医療保険等に関する手続き

  日本国民のすべての人が公的医療保険に加入することになっているため、自営業等の人は国民健康保険、会社員や公務員は健康保険組合や共済組合等、75歳以上の高齢者は後期高齢者医療保険に加入しています。亡くなった人が加入していた公的医療保険によって必要な手続きが異なりますが、保険証は返却する必要があります。また、葬祭費の申請も発生します。

  公的医療保険等に関する手続き

• 住民票の世帯主変更

  世帯主が亡くなった場合、亡くなった世帯主から新しい世帯主へ登録を変更する手続きを行います。手続きに必要な書類や書式は、自治体によって異なります。詳しくはお住いの自治体サイトをご確認ください。
  
  ●やること
  「住民異動届」や「世帯変更届」等の提出
  ●いつまで
  世帯主の方が亡くなった日から14日以内
  ●申請先
  お住いの市・区役所または町村役場

• 遺産相続に関する手続き

  相続は人の死亡によって開始します。相続が開始されると、相続人調査や相続財産調査、遺言書の有無の調査が必要となります。相続人と相続財産が確定したら、遺言書がある場合はその内容に基づいて相続財産の承継を進めます。

  遺産相続に関する手続き

• 亡くなったことを知った日の翌日から4カ月以内 所得税の準確定申告

  亡くなった人に所得があった場合、相続人が所得金額と税額を計算し、所得税の申告と納税を行います。これを「準確定申告」といいます。通常の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得金額が対象ですが、準確定申告は、1月1日から死亡した日までの所得金額が対象です。
  
  亡くなった人が下記に該当する場合、準確定申告は不要です。
  ・給与所得者で勤め先で年末調整する場合
  ・年金受給者で公的年金の受給額が400万円以下でその他の収入が20万円以下の場合
  ・相続人が相続放棄した場合
  
  申告期限
  相続の開始があったこと（亡くなったこと）を知った日の翌日から4カ月以内
  ※1月1日から確定申告の期限の3月15日までに亡くなった場合は、前年分とあわせて亡くなった年の所得の申告も必要です。
  
  必要書類
  準確定申告書と各種保険料の控除証明書などを提出する他、相続人がいる場合は下記も添付します。e-Taxでの電子申告の場合は「準確定申告書付表」の提出が必須です。
  
  ・準確定申告書付表（相続人の氏名、亡くなった人との続柄などを記載）
  ・準確定申告の確認書（相続人が2名以上いる場合、各相続人の署名などを記載）
  ・委任状（相続人代表が他の相続人の還付金を代表して受け取る場合）
  
  必要書類を準備して、亡くなった人の住所を管轄する税務署に提出します。詳細は、国税庁「納税者が死亡したときの確定申告（準確定申告）」をご確認ください。

• 亡くなった日の翌日から5年以内 遺族年金等に関する手続き

  遺族年金は、国民年金や厚生年金保険に加入中もしくは加入していた被保険者が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていたご遺族の方が受け取ることができる年金です。亡くなった人の年金の加入状況等によって「遺族基礎年金」か「遺族厚生年金」のいずれか、または両方を受け取ることができます。受給要件や受給対象者を満たしているか確認して手続きを行います。

  遺族年金等に関する手続き

• 亡くなった後できるだけ早く 公共サービス等の解約手続き

  役所や年金事務所への手続きが終わったら、亡くなった方が生前利用していた公共サービス等の解約や停止の手続きを進めます。特に期限はありませんが、手続きが遅くなるとお金の支払いが発生するものもあるため、なるべく早めに行いましょう。

  公共サービス等の解約手続き