国民健康保険の保険料

国民健康保険の保険料は、所得に対する料率などが市区町村ごとに異なります。40〜64歳の方は介護保険の保険料を合わせて納付します。支払いが困難な事情がある場合は、軽減制度が用意されています。
対象となる人
国民健康保険に加入されている方
制度の概要や、加入と脱退の手続きについてはこちらのページで説明しています。
内容
目次
1. 保険料の決まり方
2. 対象者と扶養家族について
3. 支払い方法について
4. 軽減制度について
1. 保険料の決まり方
国民健康保険の加入者がいる世帯は、市区町村に対して決められた保険料を納付する必要があります。国民健康保険税と呼ばれることもあります。
保険料の額は、世帯内の加入者の所得や、加入する人数によって決まります。ただし、所得に対する料率などは市区町村ごとに設定されるため、保険料の額は同じ条件でも市区町村によって異なります。
計算方法
保険料の計算は市区町村が行い、世帯主に対して通知されます。ここでは、どのように計算されるのかを説明します。
保険料の内訳
保険料は以下の3つの区分の合計で決まります。
- ①医療分
国民健康保険加入者の医療費の財源となる分 - ②後期高齢者医療分
75歳以上の方を対象とした後期高齢者医療制度の医療費の財源となる分 - ③介護分
40〜64歳の方が、介護保険の保険料として納付する分
すべての加入者が①と②の対象となり、40〜64歳の加入者は追加で③の対象となります。これは、40〜64歳の加入者は、国民健康保険料に上乗せする形で、介護保険の保険料を支払うためです。
ご参考までに、介護保険制度と後期高齢者医療制度については、それぞれのリンク先で説明しています。
金額の計算部分
保険料は世帯内の加入者を対象に、以下の方法で計算されたものの合計です。
所得割
所得割は加入者の所得額に対して、一定の料率を掛けた額です。上述の①〜③の区分ごとにそれぞれの料率が、市区町村によって設定されています。
所得割部分の合計額は、以下の3つを足し合わせた額となります。
- 加入者全員の合計所得額 × ①の料率
- 加入者全員の合計所得額 × ②の料率
- 40〜64歳の加入者の合計所得額 × ③の料率
ここでの「所得額」とは、各加入者の課税対象の収入から、控除額の33万円を引いた額です。国民健康保険料の計算においては、基本的に基礎控除(33万円)以外の控除はありません。
均等割と平均割
均等割は、一定の固定額に世帯内の加入者数を掛けた額です。平均割は、世帯ごとに単純に加算される固定額で、市区町村によっては存在しない場合もあります。これらの固定額も、上述の①〜③の区分ごとにそれぞれの金額が、市区町村によって設定されています。
均等割と平均割の部分の合計額は、以下の3つを足し合わせた額となります。
- 全加入者数 × ①の均等割額 + ①の平均割額
- 全加入者数 × ②の均等割額 + ②の平均割額
- 40〜64歳の加入者数 × ③の均等割額 + ③の平均割額
平均割がない市区町村の場合は、その部分は0円と考えてください。
資産割
これらに加えて、一部の市区町村では資産割が設定されていることがあります。これは、所有する固定資産に応じた額が加算されるものですが、近年は資産割を廃止する自治体が多くなっています。
2. 対象者と扶養家族について
扶養について
国民健康保険には「扶養」という考え方はありません。世帯内の対象となる方全員が加入者の扱いです。
また、加入は世帯単位で行います。世帯主が職場の健康保険に加入していたとしても、世帯内に国民健康保険に加入する方がいる場合は、世帯として加入しているという扱いになり、保険料の請求などは世帯主の名義で行われます。
保険料との関係
保険料の計算は、世帯内の加入者全体の所得と、加入する人数に基づいて行われます。
子どもなど収入がない方も、加入人数には加算される形です。
3. 納付方法
毎年6〜7月頃に、市区町村から保険料の額などを知らせる納付通知書が送付されます。同封される案内に従って保険料を納付します。
対応する納付方法は市区町村により異なります。最も一般的な方法は口座振替で、納付通知書と同封される口座振替依頼書に必要事項を記入し、金融機関または市区町村の役所に提出します。
市区町村によってはクレジットカード払いなどにも対応している場合があります。
4. 軽減制度について
保険料の支払いが困難な事情がある場合、軽減または免除になる制度が用意されています。代表的な軽減制度に以下の3つがあります。
- 所得が基準を下回る場合
所得が一定の基準を下回る方に対して、保険料が軽減される制度があります。この制度は所得の申告があれば(確定申告や年末調整などで)、特別な手続きをしなくても適用されます。ただし、課税対象の収入がない場合など、市区町村への申告が行われていないと適用されないのでご注意ください。 - 非自発的失業者の場合
解雇など自発的ではない理由で離職された際に、保険料が軽減される制度があります。 - 新型コロナの影響を受けた場合
新型コロナウイルス感染症の影響により収入の減少が見込まれる方などを対象に、保険料が軽減または免除される制度があります。
詳細は、お住まいの市区町村のホームページなどをご確認ください。
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※Photo by Aflo